JRの切符を購入する時、普通は自分が行きたいところまでの切符を購入します。
それが普通だし、運賃についてもそれが当たり前だと支払っている人がほとんどではないでしょうか。
旅行の時などは、早割などを利用して少しでも交通費を節約しますが、それ以外にも電車運賃を安くする方法があります。それが「分割切符」を使う方法です。
分割切符と聞いても知らない人が多いと思います。そもそも、JRの切符を分割購入したからといって安くなるのか?と疑問に感じます。
分割切符を利用すると運賃が安くなると言いますが、どうして安くなるのか分からないとこだらけです。
分割切符の購入方法や使い方、どうして安くなるのかについて紹介していきます。
Contents
JRの運賃は営業キロで定められている
そもそも、どうして分割切符にした方が運賃を安くすることができるのかという仕組みを知らなくてはいけません。
JRの切符を購入する際、どうしてその運賃になっているのかなんて考えずに切符を購入している人が大半ではないでしょうか。
実はJRの運賃は「営業キロ」というもので決められています。
営業キロとは営業線の長さを示すもので、駅から駅の距離と言うと分かりやすいかもしれません。
例として、切符の有効期限が1日の場合だと次のようになります。
営業キロ(運賃計算キロ) 単位:キロメートル |
片道運賃(基準額) |
---|---|
1~3 | 140円 |
4~6 | 190円 |
7~10 | 200円 |
11~15 | 240円 |
16~20 | 320円 |
21~25 | 410円 |
26~30 | 500円 |
31~35 | 580円 |
36~40 | 670円 |
41~45 | 760円 |
46~50 | 840円 |
51~60 | 970円 |
61~70 | 1,140円 |
71~80 | 1,320円 |
81~90円 | 1,490円 |
91~100 | 1,660円 |
(JRおでかけネット「本州3社内の幹線の普通運賃表」を参照)
この表を見ると分かりますが、40営業キロ離れたところまで行くための運賃は670円になります。
これを20営業キロで乗り継ぎをすると、20営業キロ×2となり、320円×2で640円となります。
乗り継ぎをせずに行く場合と、分割切符で行く場合では30円違うことになります。
この仕組みを知っている人は、分割切符にした方が運賃が安くなると利用している人が多いようです。
分割切符で乗車することは問題ない
乗り継ぎをしないでも行けるルートなのに分割切符を使って安く乗るのはいいのかな?と気になる人もいると思います。
この方法で列車に乗るのは全く問題はありませんし、何か違反になったりすることもありません。
分割切符で分からないことがあれば、みどりの窓口などで相談をすることもできますし、切符の発券もしてもらえます。
分割切符を購入する前にしておきたいこと
分割切符を購入する前にやっておきたいことは、何枚に分割するかを調べておくことです。
自分で距離を調べたりするものいいですが、営業キロでの計算になるので難しい部分もあります。
そういう時のために、今はネットで分割切符を計算してくれるサイトも出来ています。
多くの利用がしているのが「分割.net」です。発着駅を入れることで分割する駅などを出してくれます。
「分割.net」で出てきたものはメモを取っておくようにしましょう。そうしないと切符を購入する際に分からなくなり、また1から調べなくてはいけなくなってしまいます。
分割切符を購入する方法は2つある
事前に何枚の切符に分割するかをチェックしたら、次は切符の購入になります。
「分割.net」で分割方法を調べても、そこで切符を購入することはできないので自分で買いに行かなくてはいけません。
分割切符を購入する方法には、次の2つの方法があります。
みどりの窓口で切符を購入する
チケットを購入する際、みどりの窓口を利用する人も多いと思います。分割切符を購入するもみどりの窓口の利用は可能です。
自分で調べていけば、どこの区間の切符が欲しいと言えばいいだけです。
また、分割切符を購入したいけれど調べていくのを忘れた場合、みどりの窓口であれば調べてくれます。
「どこからどこの区間を分割切符で購入したい」と窓口言えば、分割で切符を発券してくれるところがほとんどです。
「窓口では恥ずかしい」という人もいると思いますが、分割切符は違反ではないので、気になる時は窓口の人に相談してみましょう。
指定席券売機で切符を購入する
もう1つの方法は、指定席券売機を利用する方法です。
自分で分割する駅が分かっている場合は、指定席券売機を使って切符を購入する方が便利です。
名前が「指定席」と入っているため、指定席しか購入できないと思っている人もいますが、自由席も取れるようになっています。
また、指定席券売機を利用して分割切符を購入する際に気を付けなければいけないのが、区間です。
みどりの窓口で購入する際は間が抜けないように切符を発券してくれますが、自分で券売機を使って発券をする時は自分でチェックしなくてはいけません。
もし間が抜けてしまうと切符の買い足しが発生するため、運賃が値上がりしてしまう可能性があります。
分割切符は使い方をしっかり覚えておくことが大事
分割切符を購入したけれど、使う時はどうしたらいいか分からないという人もいるかもしれません。
分割切符を使って目的地に行くまではとても簡単です。
- 乗車駅から次の分割駅までの切符を自動改札に通す
- 降車する場合は自動改札ではなく有人改札を通る
実はこれだけです。降車する時は、目的地までに使う切符を全て駅員さんに見せれば大丈夫です。
また「降車せずに目的地までは行きたい」という場合は、途中で降車する必要はありません。
この時も出る時に有人改札で駅員さんに切符を渡せばいいだけです。
分割切符はいいところばかりではないことを知っておこう
分割切符は運賃が安くなるし、いい事ばかりだと感じますがそうではありません。分割切符にはデメリットもあります。
利用する際はデメリットを踏まえて、切符を購入するようにしましょう。
分割切符を利用すると払戻手数料が高くなる
切符を購入したけれど、何らかの理由で使うことがキャンセルしなくてはいけなくなってしまった時には払戻手数料がかかります。
切符の払戻手数料は1枚につき220円かかります。
目的地まで1枚の切符で行くのであれば払戻手数料は220円で済みますが、枚数が多ければ多いほど払戻手数料がかかってしまいます。
切符を購入した時は安く感じたけれど、払戻手数料を払ったら赤字になってしまう可能性があります。
分割切符を購入する際は、万が一のことを考えて払戻手数料を払っても赤字にならないような購入方法をするようにしましょう。
トラブルや事故で利用できなくなった時に全額戻って来ない
ここではある例を挙げて紹介していきます。
旅行で大阪から博多へ電車を使って移動をする予定だった時、天候やトラブルで電車が広島で止まってしまいました。
この時、1枚の切符であれば電車の運賃が全額戻ってきます。しかし、分割切符の場合は全額戻ってくるわけではありません。
大阪~広島、広島~博多の切符を持っている場合、広島までは利用できているのでこの切符の代金は戻ってきません。
また広島~博多の電車が動かない場合、こちらの電車の運賃は戻ってきますが目的地の博多には行けなくなります。
分割切符の場合、事故やトラブルで電車が止まっても全ての料金が戻ってこない可能性があることも覚えておきましょう。
分割切符はお得なシステムなので使ってみよう
電車の運賃は早割や金券ショップでしか安くならないというイメージですが、分割切符を利用することでも電車の運賃を安くすることができます。
切符を購入する際はちょっと不安な部分があったり、どう使っていいか分からないということもあります。でも1度覚えてしまうと、とてもお得なシステムです。
ただし、お得なだけではありません。分割切符を利用したことで運賃が戻って来なかったり、払戻手数料が思った以上に掛かってしまうこともあります。
必ず切符を利用すると分かっている時は、分割切符を利用してお得に電車を利用しましょう。