一人暮らしをすると、家賃や光熱費など自分で払わなければいけないものがたくさんあります。
加えて、社会人で一人暮らしをする人のほとんどは自分の収入で生活費をまかなうケースがほとんどでしょう。
社会人で一人暮らしをしている場合、毎月の生活費を捻出するのに精一杯で、貯金に回せるお金がない…という人もいると思います。
しかし、一人暮らしでも着実に貯金をしている人が一定数存在するのも事実です。貯金ができる人とできない人、その違いは何だと思いますか。
今回は、一人暮らしで貯金する方法を紹介します。収入が低いから、家賃が高いからなどという理由で諦める必要はありません。
お金の使い方を見直し、貯金ができるようになりましょう。
Contents
一人暮らしをしている人の貯金額はどのくらい?世の中の実態を知ろう
世の中で一人暮らしをしている人は、どのくらい貯金額があると思いますか。
実際に行われた世論調査の結果を元に、世の中の傾向を見てみましょう。
20代の平均貯金額、貯金している人の割合
2018年に金融広報調査委員会が行った「家計の金融行動に関する世論調査」では、一人暮らしでの貯金の有無や貯金額について知ることができます。
ここでは20代のデータを例に挙げてみましょう。年収と貯金額の平均は、次の通りです。
- 年収…(平均)203万円、(中央値)200万円
- 貯金額…(平均)239万円、(中央値)84万円
一方、中央値は全てのデータを順に並べて中央に来る値のことなので、私たちの考える「平均」に近いのは中央値と思っていただいていいでしょう。
この結果からわかるのは、給与が低い傾向にあり、かつ給与を得ている期間が短い20代でも数十万、頑張れば百万円以上の貯金をすることも可能だということです。
しかし一方で、貯金がないと答えた人はなんと20代の回答者全体のうち45.4%でした。
ということは、20代の一人暮らしで貯金ができている人は全体の半数しかいないことになります。
「収入が低いから貯金ができない」とは限らない
先ほどのデータを見ると、一人暮らしで貯金をすることは難しいのでしょうか。確かに、自分一人の収入で生活費をまかなうのは大変な部分もあります。
しかし、それよりも問題にすべきことがあります。一人暮らしは収入も時間も自分で自由に使えるという点です。
自分の好きなようにばかりお金を使っていると、貯金はできません。貯金をしている人は必ずしも収入が多いのではなく、ある程度計画的にお金を使っているのです。
ここで先ほどの「家計の金融行動に関する世論調査」から、興味深いデータを見てみましょう。
今度は年代別ではなく年収別での集計ですが、年収1200万円の人で貯金が100万円未満と答えた人は20%にのぼります。
この結果を見ると、収入が貯金額に比例するとは限らないのがよくわかるでしょう。
もちろん、収入の使い道は個人の自由ですが、貯金をしようとする意志があれば、どんな生活状況でも貯金ができる可能性があるのです。
お金の使い方も、まさにこの「自由」がメリットにもデメリットにもなり得るのです。
削れる部分は必ずある!生活費を見直して貯金に回す方法
貯金をするにあたり、まずは生活費を見直しましょう。固定費などは削りようがないと思われがちですが、一つ一つ見ていくと意外に削れる部分があるものです。
ここでは簡単に見直せるものをいくつか紹介しますが、間違っても食費削減のために食事量を減らすなど生活や健康に支障をきたすものはありませんので、ご安心ください。
自炊の頻度を増やして食費を節約しよう
食費を節約するなら、自炊は必須です。スーパーの弁当や外食だと一食で500円~1000円程度かかるところが、自炊のために同じ金額で食材を買えば2〜3食分は作れます。
自炊は何かと面倒なので敬遠する人もいると思いますが、一人だからこそ完璧に作る必要はありません。ここで工程が少なく、楽にできるレシピを紹介します。
- ハンバーグ
- ひき肉に冷凍のミックスベジタブルを混ぜ、成形せずフライパンに入れて適当にならして焼く。焼けたら適当にカットして食べる。
- カツ丼
- 玉ねぎを切って水とめんつゆで煮る。玉ねぎに火が通ったら冷凍のお弁当用カツを解凍した状態で入れ、卵でとじる。
- 炊き込みご飯
- 米を研いで、少し少なめに水を入れる。水が薄い茶色になる程度にめんつゆを入れて軽く混ぜ、上に唐揚げ用のカットしてある鶏肉と好きなきのこ類を乗せて炊飯器で炊く。食べるときはネギを切って乗せると見栄えと味がより良くなる。
いかがでしょうか。工程をとことん省きましたが、十分にお腹を満たすことができて最低限の栄養も取れています。
また、レシピには冷凍食品やめんつゆを使っていますが、時短になる食材や調味料を活用するとより自炊がしやすくなるのでおすすめです。
まずは自炊を週1回、慣れてきたら週2・3回というふうに、ペースを増やしていきましょう。
通信費は格安SIMとWi–Fiで節約しよう
現代は一人暮らしで固定電話を設置することはほとんどないと思いますが、スマホやパソコンのインターネット代で月に7000〜10000円程度かかっている人が多いようです。
スマホの通信費を節約するなら、格安SIMを利用するのが一番です。1ヶ月2000円前後と、大手キャリアの半分以下でスマホが使える会社が多いです。
ただし、大手キャリアで実家の家族と一緒に割引になるよう契約している人や、スマホでゲームや動画をするので通信速度を重要視する人はむやみに変えない方がいいかもしれません。
そこで活用したいのがWi–Fiです。Wi–Fiは無線で通信するので、端末自体の通信量を増やさずネット通信が使えます。
外出先でWi-Fiが利用可能なスポットを利用したり、自宅にWi–Fiの機器を設置したりして通信量を節約しましょう。
そうすればスマホを通信量が少ないプランにしても1ヶ月持つようになり、料金も安く済ませられます。
個人情報やパスワードを入力するような動作は、自宅以外のWi–Fiに接続した状態では行わないことをおすすめします。
光熱費の支払いはクレジットカードで
光熱費はコンビニでの支払いや口座引き落としなどさまざまな支払い方法がありますが、一番おすすめなのはクレジットカード払いです。
カード払いをするとポイントが貯まり、提携しているコンビニや書店などで現金と同様に使うことができるからです。
だいたい、100円で1ポイントをもらえることが多いので、仮に1か月の光熱費が約1万円なら100ポイント近くもらえることになります。
たかが100円、と思うかもしれませんが、本来なら無かった100円です。
もし100円分のポイントがあったら、例えばコンビニでコーヒーを買ったり、おにぎりやパンを1つ多く買ったり、いつもより少し贅沢ができると思いませんか。
さあ、貯金を始めよう!一人暮らしでも無理なく貯まる方法
生活費の見直しをしてお金に余裕ができたら、本格的に貯金を始めましょう。
貯金は長期にわたって続けていくものなので、わかりやすく無理のない方法で行っていくのが一番です。
「貯金専用口座」を作ろう
貯金をするにあたって、普段使う口座と貯金するための口座は分けておく必要があります。
一つの口座だと貯金と生活費の境目がわかりにくく、貯金用のお金まで使ってしまうなどの可能性があるからです。
貯金をしていて何よりの励みになるのは、通帳の残高が増えていくことです。貯金専用の口座と通帳を持って、お金が貯まっていく喜びを味わいましょう。
給料が入ったら1万円貯金してみよう
ここまでお読みいただくと、毎月の給料の中から貯金に回せるお金が多少なりともできてくると思います。
もし、今すぐ貯金できるお金があるならすぐに口座に移し、それが難しい場合は次に給料が入った時に1万円貯金することを目指しましょう。
ちなみに「次に給料が入ったら」と時期を指定しているのは、それが一番貯金をしやすいタイミングだからです。
月の途中や月末に貯金をしようとすると生活費が足りなくなるなどし、お金を計画的に使えなくなってしまうのでおすすめできません。
しかし生活費を大幅に削って貯金するなど無理がかかると、挫折しやすくなるのでほどほどの額にしましょう。
多少のリスクを負ってもいいなら少額投資もおすすめ
貯金が貯まってきたら、かつては定期預金にするのが一般的でした。しかし現代はどこの銀行でも金利が低く、以前のように「預けていれば勝手に増える」などということはまずありません。
そこで注目されているのが「投資」です。
これまでは投資というと資産家がやるものといったイメージがありましたが、最近はネット証券会社の普及や節税制度の導入により、誰でも始めやすくなっています。
その中でも投資信託は数百円から積み立てることができ、NISA(少額投資非課税制度)を利用すれば利益が非課税となって全額受け取れるのでおすすめです。
投資信託は証券会社に預けたお金を専門家が運用するため、時期によっては元本割れするリスクもありますが、長い目で見れば預けたお金を増やせる可能性のほうが高いと考えられています。
一人暮らしの貯金は計画的なお金の使い方が大事!すぐに生活費の見直しを
これまでは「一人暮らしで貯金なんてできるの?」と思っていた皆さんも、ここまで読んでいただけば「一人暮らしでも貯金できる!」と意識が変わったと思います。
一人暮らしは、ただでさえ自分で決めて行動しなければならないことが多いので、お金の使い方まで考えるのは面倒くさいと感じるかもしれません。
しかし、そこを少し頑張るだけで5年先、10年先の未来が変わってきます。貯金は早く始めるほど、貯められる額も大きくなります。
「貯金がある」という事実は私たちの心に余裕をもたらしますし、いつかは必ず「貯めておいてよかった!」と思うときがくるでしょう。
初めはわずかな額でもかまいません。決して焦らず、日々の暮らしも楽しみながら貯金を増やしていきましょう。